サムネイルこの授業では、疾病を持つ子どもの看護過程や生活を理解し、対象に応じた生活援助方法を習得するとともに、小児看護技術の専門性を理解し、基礎的な技術の実施を目的としています。 

 

 

 

授業内容

 授業1今回の授業では、これまでに習った知識や技術を踏まえ、学生がグループごとに小児看護の事例を考え、説明役、看護師役、子どもの母親役となって、デモンストレーションを行いました。
 始めに、二人組で身なりの確認をしました。教員から、「看護師には、髪型、化粧、爪、ユニホームは清潔であるかなど、保護者が子どもを安心して任せられるような笑顔と身なりが大切」との説明がありました。
 1グループ目は、手術前における乳児の身体測定を行いました。看護師役が、乳児の体温を測った際に、母親役が「37.1℃という体温は高めではないか」と質問すると、「乳児の体温は大人よりも少し高めである。この体温であればで正常」と的確に答えていました。
 授業2そして、乳児の頭位、胸囲、腹囲、身長、体重を測定しました。衣服を脱がすときには、乳児が怖がらないように声かけをし、優しく触れるなどの工夫をしていました。説明役からは、乳児を計器に乗せる際、頭の位置や転落に注意すること、測定の際に使うバスタオルは感染を防ぐために、一人ひとりの専用にすることなどが説明されました。
 2グループ目は、誤嚥によりミルクを吐いてしまう乳児を想定し、鼻にチューブを入れて栄養補給を行う経管栄養法を実践しました。痛いのではないかと不安がる母親役に、看護師役は優しい口調で安心させるように、栄養を取るために必要だと説得しました。
 授業3説明役から、1.乳児の鼻にチューブを入れた後テープで固定する、2.チューブが胃に入っているかを確認するため、空気を入れて聴診器で確認する、3.嘔吐を防ぐためベッドを斜めにする等の注意点が説明され、看護師役はその手順をスムーズにこなしていました。
 学生たちは、看護師としての専門的な知識や技術を習得するとともに、患者や家族への精神的なケアの必要性を学んでいました。

教員からのコメント

 薬師神先生小児看護方法論IIは、3年生を対象とした授業です。後学期から大学病院での実習が始まる前に、子どものバイタルサイン測定、採血・点滴・骨髄穿刺などの検査時の介助方法、与薬、経管栄養、吸入、吸引、心肺蘇生法といった看護技術を、デモンストレーションを通して学びます。
 演習では、まず、グループごとに教科書やDVDなどを用いて、担当する小児看護技術の手技や手順と根拠について調べ、学習を行います。その後、病院で使用されている本物の医療物品を用いて練習を重ね、子どもの発達段階に合わせた物品の選択と手順、安全・安楽をはかれる看護技術のコツについて発表していきます。そして、できるだけ実践に近い体験をしてもらう中で、安全・安楽な技術が提供できること、検査や処置を受ける子どもと家族の気持ちに寄り添えること、発達段階に合わせた説明を子どもに丁寧に行い、子どもが納得して自ら処置を受けることができるよう援助することの重要性を学んでいきます。

学生からのコメント

学生さん この授業では、グループに分かれて小児看護ならではのケアや処置の進め方を習得します。事例から自分たちで考え、どのような手順でケアを進めていくか、物品の選択や子どもへの声掛けなど、一からグループ全員で協力して展開を考えていきます。グループで考えることで、お互いの意見交換もできるので、とても良い機会にもなります。
 また、自分たちで学習を進めながら、何度も手技の練習を重ね、試行錯誤していくので、根拠のある手技をしっかりと「身に」着けることができました。教員や看護師経験のある大学院生のティーチングアシスタントのサポートもとても密で、自分たちが気付かなかった細かいところまでしっかりと考える機会を与えてくれ、根拠をもって教えてくれるので、一つ一つの手技を納得・理解でき、より深い学びをすることができました。
 看護師は専門職なので、勉強が大変なこともありますが、皆で協力して頑張れるので、毎日がとても充実していて楽しいです。