お知らせ

平成20年度愛媛大学外国派遣研究員(事務系職員)派遣報告

平成20年度愛媛大学外国派遣研究員事業により、平成20年9月から12月までローマ大学で研修を受けた工学部等技術部化学・材料系技術班の森雅美技術員から、研修の報告を寄せていただきました。

平成20年9月16日(火)から12月12日(水)までの約3ヶ月間、ローマ大学“トルベルガータ”にて「大学における技術支援体制のあり方と環境センサに関する研究についての知識の習得」というテーマで研修を行ってきました。この制度に応募する際には、はじめての海外生活、海外の大学での業務、たった一人、ということで、語学や生活環境などさまざまな不安がありました。しかし、“こんなチャンス一生に一度しかない!”と思いチャレンジすることにしました。不安と楽しみな気持ちでイタリアに到着、さっそく翌日から大学での仕事が始まりました。言葉や生活に慣れるまでの数日間は緊張・孤独・ストレスで苦痛でした。しかし、研究室の方はとても親切で、廊下ですれちがう度に皆が“Ciao, Come va?”“Can I help you?”と話しかけてくれたので、すぐに研究室の一員になることができました。イタリア人は噂通り陽気でした!!ローマ大学とはこれまでにも活発に交流を行っており、今回の研修では、研究プログラムを準備してくださり、滞在するアパートなど日常生活の面倒もみてくださいました。交流のある大学で研修することで、生活面での不安はすいぶん軽減され、到着後すぐに大学での業務を開始することができました。また、研究内容がよく似た分野で研修できたので、これまでの業務経験を活かしてスムーズに研究を進めることができ、帰国後も連絡を取り合い引き続き共同研究を行っています。

研修期間中は、平日9時〜19時くらいまで研究室で実験や分析機器の操作を行っていました。土日は休日だったので研究室の仲間とホームパーティーをしたりローマ近郊の町に遊びに行ったりして楽しく過ごしていました。実験はポスドク・技術職員の方がサポートをしてくださいました。ローマ大学では技術職員の方は多くの学生実験を担当し、それ以外の時間は各研究室で研究支援を行っていました。彼らは自分の担当している機器や実験装置について教員よりも多くの知識があり、責任ある業務をまかされていました。技術職員が大学に必要不可欠な存在となるためには、“愛媛大学ではこの人にしかできない”という技術を身につけることが重要だと感じました。研修中に最も苦労したことは、研究経過報告のミーティングでのプレゼンテーションです。英語で自分の研究内容や考え方を使えることの難しさを実感しました。ローマ大学の学生さんは自分の研究に誇りを持っていて、“こんなにすばらしい実験をやっている”と一生懸命に伝えよう、理解してもらおうとしていて、そのパフォーマンス力に驚きました。
 今回の研修では、多くの人と出会い、異文化に触れ、さまざまな体験をして、本当にたくさんのことを吸収することができ、貴重な経験となりました。たった3ヵ月間ですが海外で暮らすことで、日本の文化や技術の素晴らしさを再発見することもできました。
 最後になりましたが、このような素晴らしい経験をさせてくださった皆様に感謝申し上げます。