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日本語は生きた教材,常に変化している
─どのような研究をされていますか?
「日本語学です。日本語の発音,アクセント,文字,表記,方言などの研究ですね。題材は生きた日本語で,以前勤務していた神戸の女子短大では,女子大生の書く丸文字に驚きました。丸文字は進化した平仮名で,すばらしく機能的なカタチをしています。漢字から派生したカタカナは,1200年代に今の簡素なカタチに変化を遂げましたが,今度は平仮名に変化が訪れたと思いましたね。愛媛大学への赴任当初は,方言の研究を楽しみにしていました。愛媛県の方言はバラエティに富んでいて,山一つ越えただけでも言葉やアクセントが大きく変わります。方言の研究者にはとても魅力ある県です。」
『坊っちゃん』自筆原稿の複製
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『坊っちゃん』の方言には高浜虚子の手直しが
─夏目漱石の研究でも注目を集めていらっしゃいますね。
「愛媛県の方言について調べる題材として,代表的な作品と言えるのが夏目漱石の『坊っちゃん』です。漱石直筆の原稿を見ると,方言部分に漱石ではない誰かが手を入れているのがわかります。文学研究ではなく,表記の研究をしているから見えてくる物がありました。漱石が書いた文字と,方言部分に手を入れた文字が明らかに違うのです。漱石が使っていた平仮名の変体文字が,方言部分の加筆や訂正では使われていません。事実,漱石は高浜虚子に方言部分について修正を願う手紙を書き,それが残っていますし,虚子の書いた文字との照合もできました。他の作品でも漱石の直筆原稿を見ていると,活字になった本からはわからない面白い発見があります。」
『坊っちゃん』をテーマに学生とのプロジェクトを実施
─2006年は『坊っちゃん』発表から100年でした。
「2005年度前期の共通教育『愛媛の歴史と人々』の科目で,「『坊っちゃん』100年と松山」という授業題目でプロジェクト学習を行いました。その授業から八木勇樹君(法文学部)や井出祐輝君(法文学部)などを中心とした,当時の1年生7名が「『坊っちゃん』と松山の新世紀を考える」というプロジェクトを立ち上げ,昨年度のプロジェクトEに選出。さらには昨年度『松山市学生による政策論文』でみごと優秀賞を受賞しました。この論文を元に行われた「坊っちゃん先生,おいでんかなもし!─『坊っちゃん同窓会まつり』で松山市を活性化しよう─」を2006年8月1日に開催。プロジェクトの学生たちは企画,準備,当日の裏方もやってくれました。」
専門家を育て愛媛の文化を学べる大学に
─これからの研究の目標は?
「地方大学は地域の文化を育む責務を担うべきだと思います。子規や漱石など,愛媛に来たら,愛媛大学に入学したらこれが学べる,という特徴のある研究も必要ではないでしょうか。愛媛は方言の宝庫。私自身,愛媛の方言をもっと詳しく調べたいと思っています。」
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